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6.302026
第10話 父の決断、大分転勤 〜家族の未来を考えた選択〜

第10話 父の決断、大分転勤 〜家族の未来を考えた選択〜
小学校時代、裕太は市立小学校と盲学校を行き来しながら頑張っていました。
しかし、いじめの問題や将来の進学を考える中で、私たち家族には一つの大きな課題がありました。
それは、
「中学校をどうするか」
という問題でした。
迫ってきた中学校進学
裕太が小学校高学年になる頃、夫婦で話し合う機会が増えました。
視覚障害のある子どもにとって、中学校生活は新たな環境への挑戦です。
当時の選択肢は大きく二つ。
地元の中学校へ進学するか。
それとも盲学校の中学部へ進学するか。
どちらが裕太にとって幸せなのか。
正解は誰にも分かりませんでした。
寄宿舎という選択肢
盲学校中学部へ進学する場合、寄宿舎生活という選択肢もありました。
しかし、その時の裕太はまだ小学生。
親元を離れて生活するには早すぎるのではないか。
私たちはそう考えていました。
さらに妹の彩音もまだ小学生です。
兄だけでなく、妹の教育環境も考えなければなりませんでした。
大分県立盲学校との出会い
そんな時、仕事を通じて一つの話が舞い込みます。
大分県への転勤の話でした。
しかも、大分県立盲学校には小学部と中学部が併設されていました。
兄妹が同じ地域で学べる。
家族が離れ離れにならずに済む。
私たちにとっては大きな魅力でした。
家族会議の日々
もちろん簡単に決断できる話ではありません。
私の仕事。
妻の生活環境。
子どもたちの学校。
祖父母との距離。
考えなければならないことは山ほどありました。
夜になると夫婦で何度も話し合いました。
「本当に大分でいいのだろうか」
「子どもたちは大丈夫だろうか」
不安は尽きませんでした。
最後に決めた基準
最終的に私たちが考えたのは、
「親にとって都合が良いか」ではなく、
「子どもたちにとって何が一番良いか」
ということでした。
裕太の将来。
彩音の将来。
その両方を考えた時、大分へ移ることが最善だという結論になりました。
人生の大きな転機
こうして私たち家族は大分へ移ることを決断しました。
住み慣れた土地を離れる不安。
新しい環境への期待。
様々な感情が入り混じっていました。
しかし今振り返ると、この決断は家族の人生を大きく変える転機だったと思います。
もしあの時、転勤を断っていたら。
裕太の人生も、彩音の人生も、今とは違っていたかもしれません。
新しい生活の始まり
引っ越しの日。
家族全員で新しい生活をスタートさせました。
知らない土地。
知らない学校。
知らない友達。
子どもたちにも不安はあったと思います。
それでも家族が一緒なら乗り越えられる。
そんな気持ちで新しい生活を始めました。
父親として思うこと
親になって感じるのは、
人生には正解のない選択がたくさんあるということです。
どちらを選んでも不安はあります。
しかし、子どもたちの未来を真剣に考えて出した答えなら、後悔はありません。
あの時の決断があったからこそ、その後の裕太の成長につながったのだと思っています。
次回予告
大分で始まった新しい学校生活。
そこで裕太は、それまでとは違う環境に身を置くことになります。
そして少しずつ、自分の可能性を広げていくのでした。
次回、
「第11話 大分県立盲学校で学んだこと 〜仲間との出会いが変えた未来〜」
中学校生活と、新しい仲間たちとの出会いについてお話しします。
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