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9.82026
第11話 職業訓練校で学んだパソコン〜人生を変えた新しい武器〜

さまざまな出来事が重なり、私は長年勤めたタクシー会社を退職しました。
失業保険の手続きをするためハローワークへ通いながら、再就職先を探す毎日。
そんな時、職業訓練校という制度があることを知りました。
パンフレットを見ると、
・ビル管理
・介護
・CAD
・パソコン
など、さまざまなコースがあります。
私は迷わず窓口の担当者へ言いました。
「私はパソコンの職業訓練を受けたいです。」
そして少し自信満々に、
「パソコンはできます。(キリッ)」
すると担当者は笑顔で、
「それでしたら、中級コースがおすすめですね。」
と言ってくださいました。
「よし、決まり!」
と思ったのも束の間。
「ただ、その前に学科試験があります。」
「えっ?」
国語、数学、そしてパソコン知識。
試験に合格しなければ受講できないと言われました。
私は慌ててBOOKOFFへ行き、問題集を購入。
気が付けば、43年ぶりの受験勉強です。
学生時代以来の猛勉強。
その結果、無事に合格することができました。
意気揚々と職業訓練校へ入校した私。
しかし、教室へ入った瞬間、自分の考えが甘かったことを思い知ります。
受講生の約8割は女性。
しかも、本格的に事務職への就職を目指している方ばかりでした。
ほぼ全員がブラインドタッチ。
制限時間内に入力を終え、Wordの書式設定も正確。
Excelではピボットテーブルもテキパキと操作し、グループディスカッションでは要点を分かりやすくまとめて発表していました。
その姿を見て、
「レベルが違う…。」
と圧倒されたのを今でも覚えています。
それでも私は思いました。
「人は人、自分は自分。」
比べても仕方ありません。
自分にできることを、一つずつ積み重ねよう。
その気持ちで学び続けました。
おかげで、文字入力のスピードは大きく向上し、
WordやExcelの基本操作、便利なショートカットキーなど、多くのことを身につけることができました。
事故の後遺症もあり、最後まで受講を続けることはできませんでした。
それでも、この経験は私の人生にとって大きな財産になりました。
今振り返ると、職業訓練校は単なるスキルアップの場ではありません。
自分を見つめ直し、新しい可能性に出会える場所だったと思います。
再就職を考えている方には、ぜひ一度活用していただきたい制度です。
そして、そんな私のもとへ一本の連絡が入ります。
「体調が良ければ、もう一度戻って来ないか?」
再び、タクシー業界への扉が開こうとしていました。
次回予告
第12話 再びタクシー業界へ
〜出戻りだからこそ見えた景色〜
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