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第15話 筑波技術大学への挑戦 〜全国から集まった仲間たち〜

第15話 筑波技術大学への挑戦 〜全国から集まった仲間たち〜

福岡県立盲学校高等部での3年間。

寄宿舎生活を送りながら、陸上競技やパソコンとの出会いを通じて大きく成長した裕太。

そして高校卒業後、新たな挑戦の舞台として選んだのが筑波技術大学でした。


目指したのは筑波技術大学

筑波技術大学は、視覚障害者や聴覚障害者が専門的な高等教育を受けることができる全国でも数少ない大学です。

裕太が進学した保健科学部には、

・情報システム学科

・理学療法学科

・健康スポーツ学科

があり、それぞれ専門性の高い学びが行われています。

裕太はパソコンや情報技術に興味を持っていたこともあり、情報分野を中心に学ぶ道を選びました。


親元を離れて7年目

振り返ると、福岡県立盲学校の寄宿舎生活3年間。

そして筑波技術大学での4年間。

裕太は高校から大学卒業までの7年間を親元から離れて生活することになります。

親としては心配もありました。

しかし、ここまで成長した姿を見ていると、

「もう大丈夫だろう」

という気持ちもありました。


初めての本格的な自立生活

大学では寮生活が始まりました。

洗濯。

掃除。

買い物。

食事。

時には自炊もしていたようです。

私はというと、

「ちゃんと食べているのかな」

「体調は大丈夫かな」

と心配ばかりしていました。

しかし本人は親が思う以上にたくましく生活していました。


全国から集まった仲間たち

筑波技術大学には全国各地から学生が集まります。

視覚障害のある学生。

聴覚障害のある学生。

それぞれ異なる環境で育ってきた仲間たちです。

同じ障害があっても考え方は様々。

裕太にとっても、多くの刺激を受ける環境だったと思います。

仲間との出会いは、視野を広げる大きなきっかけになったことでしょう。


筑波大学の広大なキャンパス

筑波技術大学は筑波大学の広大な学園都市の中にあります。

初めて訪れた時、

「大学ってこんなに広いのか」

と驚いたことを覚えています。

全国から集まった学生たちが学び、研究し、夢を追いかけている。

そんな環境の中で裕太も学生生活を送っていました。


少し寂しかった父親

大学生活が始まると、以前より連絡が少なくなりました。

高校時代は毎週帰省していましたが、大学ではそうはいきません。

電話も必要な時だけ。

LINEも簡単なやり取り程度。

親としては少し寂しい気持ちもありました。

しかしそれは、自立している証拠でもありました。

子どもが親を頼らなくなるのではなく、自分の力で歩き始めている。

そう思うようにしていました。


父と息子、初めての秋葉原

そんな大学時代の思い出の一つがあります。

東京出張の機会があった時、社長にお願いして少し時間をいただきました。

裕太と待ち合わせをして、一緒に東京へ出かけたのです。

そして二人で向かった先が秋葉原でした。

父も初めて。

息子も初めて。

パソコンや電子機器が並ぶ街を歩きながら、いろいろな話をしました。

今思えば、とても貴重な父と息子の時間だったと思います。


高い就職実績という安心感

筑波技術大学は企業からの評価も高く、就職実績に定評があります。

IT企業。

医療・福祉機関。

公務員。

様々な分野で卒業生が活躍しています。

裕太も大学で専門知識や技術を身につけながら、少しずつ社会人への準備を進めていました。


卒業、そして新たなスタートへ

4年間の大学生活はあっという間でした。

卒業式の日。

保育器の中で小さく眠っていた赤ちゃんが、大学を卒業するまでになった。

そう思うと感慨深いものがありました。

卒業後の就職先が決まり、私たち家族は茨城県から埼玉県和光市へ向かいました。

レンタカーを借りて家族総出の引っ越しです。

荷物を運びながら、

「いよいよ社会人になるんだな」

と実感しました。


初めての一人暮らし

学生寮ではありません。

今度は本当の一人暮らしです。

親の目も届きません。

全て自分で判断し、自分で生活していかなければなりません。

それでも不思議と心配より期待の方が大きかった気がします。

これまで何度も壁を乗り越えてきた裕太なら大丈夫。

そう信じて送り出しました。


次回予告

大学卒業後、社会人として歩み始めた裕太。

就職先は大手企業のリコージャパンでした。

視覚障害がありながらも、社会の第一線で働くことになります。

次回、

「第16話 リコージャパン入社 〜社会人として踏み出した第一歩〜」

親として最も嬉しかった日のお話です。

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