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6.132026
第1話 パン職人になった18歳の私

第1話 パン職人になった18歳の私
高校を卒業した18歳の春。
進学という選択肢もありましたが、私は「手に職を付けたい」と考えていました。
特別な夢があったわけではありません。
ただ、これからの人生を生きていくためには、自分の力で食べていける技術を身につけたいと思ったのです。
そんな時に出会ったのがパン職人という仕事でした。
当時は今のようにおしゃれなベーカリーが街中にたくさんある時代ではありません。
朝早くから働き、重い材料を運び、暑い窯の前で汗を流す仕事です。
決して楽な仕事ではありませんでした。
それでも私はパン作りの世界に飛び込みました。
修業時代はとにかく厳しい毎日でした。
朝はまだ暗いうちに出勤し、生地を仕込みます。
小麦粉や材料の計量から始まり、生地作り、発酵、成形、焼成、仕上げまで覚えることは山ほどありました。
先輩たちの動きを見ながら必死についていく毎日です。
失敗もたくさんしました。
発酵の見極めを間違えたり、パンを焦がしたり、生地を無駄にして叱られたこともあります。
何度も「向いていないのではないか」と思いました。
それでも辞めなかったのは、自分で選んだ道だったからです。
そして何より、焼きたてのパンが並ぶ光景が好きでした。
オーブンから漂う香り。
お客様が笑顔でパンを選ぶ姿。
「美味しかったよ」と言われた時の喜び。
その瞬間に疲れが吹き飛びました。
気が付けば4年間の修業生活の中で、仕込みから焼成まで、パン製造のほぼすべての工程を経験することができました。
今振り返ると、本当に運が良かったと思います。
若いうちに様々な工程を任せてもらえたことで、パン作りの基礎をしっかり学ぶことができました。
そしてこの4年間で私が学んだ最も大きなことは、パン作りの技術ではありません。
「継続する力」でした。
毎日同じ時間に出勤し、同じ作業を繰り返しながらも、少しずつ成長していく。
地道な積み重ねが技術になる。
この考え方は、その後の営業職や管理職、そして現在のEC事業にも大きく役立っています。
18歳の私は、まさか将来自然食品業界で働き、全国を飛び回り、さらには60歳を過ぎてブログを書いているとは想像もしていませんでした。
しかし、すべての原点はこのパン職人時代にあります。
手に職を付けたい。
その一歩が、私の人生を大きく動かしたのでした。
次回は、「自然食品との運命の出会い」。
パン職人として腕を磨こうとしていた私が、なぜ自然食品の世界へ入ることになったのかをお話しします。
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