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第1話 パン職人になった18歳の私

第1話 パン職人になった18歳の私

高校を卒業した18歳の春。

進学という選択肢もありましたが、私は「手に職を付けたい」と考えていました。

特別な夢があったわけではありません。

ただ、これからの人生を生きていくためには、自分の力で食べていける技術を身につけたいと思ったのです。

そんな時に出会ったのがパン職人という仕事でした。

当時は今のようにおしゃれなベーカリーが街中にたくさんある時代ではありません。

朝早くから働き、重い材料を運び、暑い窯の前で汗を流す仕事です。

決して楽な仕事ではありませんでした。

それでも私はパン作りの世界に飛び込みました。

修業時代はとにかく厳しい毎日でした。

朝はまだ暗いうちに出勤し、生地を仕込みます。

小麦粉や材料の計量から始まり、生地作り、発酵、成形、焼成、仕上げまで覚えることは山ほどありました。

先輩たちの動きを見ながら必死についていく毎日です。

失敗もたくさんしました。

発酵の見極めを間違えたり、パンを焦がしたり、生地を無駄にして叱られたこともあります。

何度も「向いていないのではないか」と思いました。

それでも辞めなかったのは、自分で選んだ道だったからです。

そして何より、焼きたてのパンが並ぶ光景が好きでした。

オーブンから漂う香り。

お客様が笑顔でパンを選ぶ姿。

「美味しかったよ」と言われた時の喜び。

その瞬間に疲れが吹き飛びました。

気が付けば4年間の修業生活の中で、仕込みから焼成まで、パン製造のほぼすべての工程を経験することができました。

今振り返ると、本当に運が良かったと思います。

若いうちに様々な工程を任せてもらえたことで、パン作りの基礎をしっかり学ぶことができました。

そしてこの4年間で私が学んだ最も大きなことは、パン作りの技術ではありません。

「継続する力」でした。

毎日同じ時間に出勤し、同じ作業を繰り返しながらも、少しずつ成長していく。

地道な積み重ねが技術になる。

この考え方は、その後の営業職や管理職、そして現在のEC事業にも大きく役立っています。

18歳の私は、まさか将来自然食品業界で働き、全国を飛び回り、さらには60歳を過ぎてブログを書いているとは想像もしていませんでした。

しかし、すべての原点はこのパン職人時代にあります。

手に職を付けたい。

その一歩が、私の人生を大きく動かしたのでした。

次回は、「自然食品との運命の出会い」。

パン職人として腕を磨こうとしていた私が、なぜ自然食品の世界へ入ることになったのかをお話しします。

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