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9.22026
第5話 二種免許取得への挑戦〜50歳で通った二度目の教習所〜

タクシー会社への入社が決まり、最初に待っていたのは二種免許の取得でした。
運転に関しては、正直なところ自信がありました。
16歳で原付免許を取得。
19歳で普通自動車免許と自動二輪中型免許を取得し、運転には慣れていたからです。
しかし、二種免許は想像していた以上に奥が深いものでした。
第二種運転免許とは、お客様を乗せて運賃をいただく仕事をするために必要な国家資格です。
タクシーやハイヤー、バス、運転代行など、営利目的で旅客を運送するには必ず取得しなければなりません。
取得費用はタクシー会社が負担してくれますが、その代わり一定期間勤務する条件がありました。
教習が始まり、私は二回目の試験で無事に合格しました。
ところが、一番苦労したのは運転ではありませんでした。
それが深視力検査です。
三本並んだ棒のうち、真ん中の一本だけが前後に動きます。
三本が一直線に揃ったと思った瞬間にボタンを押す検査です。
これがなかなか難しい。
この検査に合格しなければ、タクシードライバーにはなれません。
さらに、二種免許を取得しただけでは終わりません。
次はタクシー協会での学科試験です。
試験内容は、
・地理試験
・接客・接遇
・タクシー業務に関する知識
特に地理試験は難関でした。
合格率は約50%。
平均すると、一人あたり5回ほど受験して合格すると言われるほどです。
暗記が苦手な人には、かなり厳しい試験だったと思います。
私はこの時、思わず笑ってしまいました。
「タクシードライバーって、運転技術だけじゃダメなんだ。」
「技能も知識も必要やん(笑)。」
さらに適性検査を受け、社内では指導員による実務研修が始まります。
初めて営業車に乗り込み、タクシー特有の装備を一つひとつ教わりました。
内側から自動ドアを開閉する操作。
ハザードランプが右ウインカーレバーの先端に付いていること。
「なるほど、運転中でも操作しやすいように考えられているんだ。」
そんな小さな工夫にも感心したのを覚えています。
こうして振り返ると、タクシードライバーになることは決して簡単ではありません。
二種免許、深視力検査、地理試験、接客、適性検査、そして社内研修。
すべてを乗り越えて、ようやくスタートラインに立てる仕事だったのです。
そして、いよいよ初めてお客様を乗せる日がやってきます。
次回予告
第6話 初めてお客様を乗せた日
〜緊張で震えた最初の乗務〜
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