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8.292026
第3話 視覚障害者マッサージ師の送迎〜「人を安全に運ぶ仕事」の原点〜

派遣社員として様々な仕事を経験する中で、一つの求人が目に留まりました。
「マッサージ師送迎ドライバー募集」
面接会場は、近くのジョイフル。
これまで何度も不採用を経験していた私は、あまり期待せず面接に臨みました。
しかし、結果は採用。
ようやく正規雇用として働けることになりました。
会社では、テレアポによる新規開拓から体験マッサージ、そして定期的に患者様のお宅を訪問する訪問マッサージ事業を行っていました。
施術を担当するのは、国家資格を持つ視覚障害者のマッサージ師です。
話を聞くと、多くの方が福岡県立盲学校高等部の卒業生でした。
自宅へ帰って息子・裕太にその話をすると、
「その人、知ってるよ。」
そんな返事が返ってきたこともあり、不思議な縁を感じました。
訪問マッサージは、患者様が事前に医師の同意書を取得し、症状や部位に応じて施術内容が変わります。
健康保険が適用されるため、患者様の負担も軽く、会社としても安定した事業でした。
「なるほど、こんな仕事があるのか。」
私はとても興味を持ちました。
私の役目は、視覚障害者のマッサージ師を患者様のお宅まで、安全に、快適に、そして時間どおりに送り届けること。
この経験を通して、**「人を安全に運ぶ責任」と「時間を守る大切さ」**を学びました。
この仕事は、後にタクシードライバーとなる私の原点になったのです。
仕事そのものは順調でした。
しかし、一つだけ大きな問題がありました。
それは、自家用車を持ち込んでの送迎だったことです。
ガソリン代は支給されましたが、多い日には一日300km近く走ることもありました。
毎日走り続けた愛車は、少しずつ悲鳴を上げ始めます。
修理費や維持費もかさみ、このまま続けることは難しいと感じるようになりました。
「なかなか思うようにはいかない。」
中高年の再就職には、目に見えない高い壁がいくつもありました。
それでも生活のためには前へ進むしかありません。
私は再び求人誌を手に取り、新しい仕事を探し始めます。
その一本の電話が、私の人生を大きく変えることになるのでした。
次回予告
第4話 一本の電話が人生を変えた
〜地元タクシー会社との運命の出会い〜
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