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第3話 視覚障害者マッサージ師の送迎〜「人を安全に運ぶ仕事」の原点〜

派遣社員として様々な仕事を経験する中で、一つの求人が目に留まりました。

「マッサージ師送迎ドライバー募集」

面接会場は、近くのジョイフル。

これまで何度も不採用を経験していた私は、あまり期待せず面接に臨みました。

しかし、結果は採用。

ようやく正規雇用として働けることになりました。

会社では、テレアポによる新規開拓から体験マッサージ、そして定期的に患者様のお宅を訪問する訪問マッサージ事業を行っていました。

施術を担当するのは、国家資格を持つ視覚障害者のマッサージ師です。

話を聞くと、多くの方が福岡県立盲学校高等部の卒業生でした。

自宅へ帰って息子・裕太にその話をすると、

「その人、知ってるよ。」

そんな返事が返ってきたこともあり、不思議な縁を感じました。

訪問マッサージは、患者様が事前に医師の同意書を取得し、症状や部位に応じて施術内容が変わります。

健康保険が適用されるため、患者様の負担も軽く、会社としても安定した事業でした。

「なるほど、こんな仕事があるのか。」

私はとても興味を持ちました。

私の役目は、視覚障害者のマッサージ師を患者様のお宅まで、安全に、快適に、そして時間どおりに送り届けること。

この経験を通して、**「人を安全に運ぶ責任」と「時間を守る大切さ」**を学びました。

この仕事は、後にタクシードライバーとなる私の原点になったのです。

仕事そのものは順調でした。

しかし、一つだけ大きな問題がありました。

それは、自家用車を持ち込んでの送迎だったことです。

ガソリン代は支給されましたが、多い日には一日300km近く走ることもありました。

毎日走り続けた愛車は、少しずつ悲鳴を上げ始めます。

修理費や維持費もかさみ、このまま続けることは難しいと感じるようになりました。

「なかなか思うようにはいかない。」

中高年の再就職には、目に見えない高い壁がいくつもありました。

それでも生活のためには前へ進むしかありません。

私は再び求人誌を手に取り、新しい仕事を探し始めます。

その一本の電話が、私の人生を大きく変えることになるのでした。


次回予告

第4話 一本の電話が人生を変えた

〜地元タクシー会社との運命の出会い〜

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