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10.142026
第24話 進行が遅い〜医師も驚いた生命力〜

「まだ好きなもの食べれるね」
母は何度か入退院を繰り返しながらも、施設での生活を続けていました。
そして毎月、私が付き添って定期検診を受けます。
ある日の診察で、主治医の先生から思いがけない言葉を聞きました。
「お母様は、病気の進行が比較的ゆっくりですね。」
長い間、母の病状を診てくださっている先生も、その経過に驚いている様子でした。
そのことを母に伝えると、ニッコリ笑って一言。
「じゃあ、まだ好きなもの食べれるね。」
やっぱり、そこなんや(笑)
思わず私も笑ってしまいました。
ステーキが食べたい。
退院したら寿司が食べたい。
食べることが大好きだった母にとって、それは毎日を楽しむ大きな力だったのかもしれません。
80歳の頃に胆管がんの疑いを告げられ、家族で悩んだ末に大きな手術をしないという選択をしました。
あれから、もうすぐ6年。
途中、胆管の詰まりに対する処置や入退院を繰り返しながらも、母はそのたびに施設へ戻ってきました。
「余命」という言葉に家族みんなが不安になった日々。
それでも母は、自分で歩き、自分で食べ、好きなものを楽しみながら一日一日を過ごしてきました。
母の生命力には、本当に感心するばかりでした。
そして私たち家族も、
「このまま穏やかな時間が続いてくれたら……」
そう願っていました。
しかし、少しずつ母の体に変化が現れ始めます。
次回予告
第25話
黄疸が現れた日
以前、主治医の先生から聞いていた「黄疸が出始めたら要注意」という言葉。
その変化が、ついに母の体に現れます。
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