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第27話 24時間看護という選択〜母が安心して暮らせる新しい場所〜

治すことから、穏やかに暮らすことへ

母が新しく入居することになった施設は、24時間看護に対応した施設でした。

妹の家から車で10分ほどの場所にあり、何かあった時にもすぐに駆けつけることができます。

それだけでも、私たち家族にとって大きな安心材料でした。

これまでの施設とは違い、医療的なケアを必要とする方も受け入れていました。

病気の治癒を目指す治療だけではなく、痛みや息苦しさなどの身体的なつらさや、不安などの心のつらさを少しでも和らげながら、その人らしく過ごせるよう支えてくれる環境です。

病気が進行していた母にとって、これから必要になるのは、

「病気と闘うことだけではなく、できるだけ穏やかに毎日を過ごすこと。」

私たち家族も、少しずつそんなふうに考えるようになっていました。

施設のスタッフの皆さんはとても親切で、母の気持ちに寄り添いながら、私たち家族の要望にも真摯に対応してくださいました。

そして、母の部屋にはちょっとしたこだわりがありました。

それが、42インチのテレビです。

普通ならなかなか置けない大きさだったのですが、施設の方にお願いすると快く対応してくださいました。

さらに施設長さんは、母が楽しみにしていた朝ドラを見逃さないように、録画の設定までしてくれました。

そこまでしてくれるんや。

本当にありがたいな〜。

大きなテレビで好きな番組を見て過ごす母。

スタッフの皆さんにも優しく接していただき、妹も近くにいる。

病気のことを考えれば心配は尽きません。

それでも母の様子を見ながら、私は思いました。

「母は恵まれてるな〜。」

そして私自身も、限られた時間の中で、

「できるだけ母のところへ行こう。」

そう考えるようになっていました。

特別なことをしなくてもいい。

病院へ連れて行く。

一緒に買い物をする。

話をする。

耳が聞こえにくければ、紙に書いて伝える。

そんな何気ない時間が、少しずつ大切な時間になっていきました。


次回予告

第28話
毎週日曜日は母の日

病院、買い物、そして何気ない会話。

耳が遠くなった母とは、筆談をすることも増えていきました。

毎週日曜日。

それはいつしか、私にとっての「母の日」になっていました。

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