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10.172026
第27話 24時間看護という選択〜母が安心して暮らせる新しい場所〜

治すことから、穏やかに暮らすことへ
母が新しく入居することになった施設は、24時間看護に対応した施設でした。
妹の家から車で10分ほどの場所にあり、何かあった時にもすぐに駆けつけることができます。
それだけでも、私たち家族にとって大きな安心材料でした。
これまでの施設とは違い、医療的なケアを必要とする方も受け入れていました。
病気の治癒を目指す治療だけではなく、痛みや息苦しさなどの身体的なつらさや、不安などの心のつらさを少しでも和らげながら、その人らしく過ごせるよう支えてくれる環境です。
病気が進行していた母にとって、これから必要になるのは、
「病気と闘うことだけではなく、できるだけ穏やかに毎日を過ごすこと。」
私たち家族も、少しずつそんなふうに考えるようになっていました。
施設のスタッフの皆さんはとても親切で、母の気持ちに寄り添いながら、私たち家族の要望にも真摯に対応してくださいました。
そして、母の部屋にはちょっとしたこだわりがありました。
それが、42インチのテレビです。
普通ならなかなか置けない大きさだったのですが、施設の方にお願いすると快く対応してくださいました。
さらに施設長さんは、母が楽しみにしていた朝ドラを見逃さないように、録画の設定までしてくれました。
そこまでしてくれるんや。
本当にありがたいな〜。
大きなテレビで好きな番組を見て過ごす母。
スタッフの皆さんにも優しく接していただき、妹も近くにいる。
病気のことを考えれば心配は尽きません。
それでも母の様子を見ながら、私は思いました。
「母は恵まれてるな〜。」
そして私自身も、限られた時間の中で、
「できるだけ母のところへ行こう。」
そう考えるようになっていました。
特別なことをしなくてもいい。
病院へ連れて行く。
一緒に買い物をする。
話をする。
耳が聞こえにくければ、紙に書いて伝える。
そんな何気ない時間が、少しずつ大切な時間になっていきました。
次回予告
第28話
毎週日曜日は母の日
病院、買い物、そして何気ない会話。
耳が遠くなった母とは、筆談をすることも増えていきました。
毎週日曜日。
それはいつしか、私にとっての「母の日」になっていました。
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