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第16話 「ここは極楽や」〜母の笑顔が戻った日〜

母の笑顔が戻った瞬間

引っ越し当日。

まずは実家の近くで、母と親子水入らずの食事をしました。

食事を終え、新しい生活が始まる施設へ向かいます。

母の部屋は313号室。

しかも静かな角部屋でした。

それも母が安心して入居を決めた理由の一つだったと思います。

部屋に入り、しばらく周りを見渡した母が、笑顔でこう言いました。

「ここは極楽や〜。」

その一言を聞いた瞬間、私も妹も肩の荷が下りました。

「本当に良かった。」

心からそう思えた瞬間でした。

その後は、新しい生活を安心して送れるよう、時間を作って一緒に市役所へ行きました。

住所変更、国民年金、介護保険など、必要な手続きを一つひとつ進めていきます。

さらに、ほけんの窓口で80歳でも加入できる生命保険にも入りました。

当時は「念のため」と思って加入しましたが、後になって本当に助けられることになります。

また、老人性難聴も進んでいたため、耳鼻咽喉科で詳しい検査を受け、障害者手帳の交付を受けました。

市役所では後期高齢者医療制度をはじめ、利用できるさまざまな支援制度についても丁寧に説明していただきました。

年齢を重ねると、自分だけでは分からない制度がたくさんあります。

行政の支援や制度を利用できたことは、本当にありがたいことでした。

母が安心して暮らせる環境が整い、ようやく家族にも穏やかな時間が戻ってきました。


次回予告

第17話
気付けば妹と二人で支えていた

母を支える毎日の中で、いつの間にか妹と二人三脚になっていました。

兄妹だからこそ乗り越えられた日々を振り返ります。

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