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第26話 施設をもう一度探す〜母が自分で選んだ新しい住まい〜

「ここがよか」母が決めた新しい場所

大学病院での検査は、2日間にわたって行われました。

いろいろな検査を受けているはずなのに、母は私にこんなことを言います。

「順ちゃん、ここの看護師さんは針を刺すのがうまか〜。」

そんなところを褒めるんかい(笑)

でも今になって思えば、母なりに私に心配をかけないよう、明るく振る舞っていたのかもしれません。

そして検査の結果、医師から説明を受けました。

告げられたのは、**「余命4ヶ月」**という言葉でした。

以前にも余命についての話を聞き、それから何年も頑張ってきた母。

しかし今回は、病気が進行していることも分かっています。

私たち兄弟も、これからのことを考えなければなりませんでした。

いろいろ考えた末、兄弟4人が集まり、母と一緒に食事をすることにしました。

久しぶりに子どもたちが全員そろったのを見て、母は嬉しそうでした。

ところが母は、みんなの顔を見ながら笑って一言。

「そろそろなんやろ?」

私たち兄弟は、

「違うよ〜。」

と笑いながら返しました。

母も笑う。

私たちも笑う。

お互いに本当は何となく分かっていたのかもしれません。

それでも、いつもの家族らしく笑いながら言葉のキャッチボールをしていました。

一方で、現実的な問題もありました。

母の状態では、これまで暮らしていた要支援1・2を対象とする施設での生活を続けることが難しくなってきました。

長い間お世話になり、母自身もすっかり慣れ親しんだ場所です。

しかし、退去に向けた準備を始めなければなりません。

再び、母の新しい住まい探しが始まりました。

私は母と一緒に何ヶ所か施設を見学しました。

ところが母は、

「嫌や。」

どこへ行っても、その一点張り。

以前の施設探しの時と同じです。

「また始まったな〜。」

そんな気持ちにもなりました(笑)

その中で、これから新しく建つという施設が見つかりました。

まだ完成前でしたが、母と妹と私の3人で話を聞きに行くことにしました。

そこで対応してくださった施設長さんの話が、とにかく面白い。

母も楽しそうに話を聞いていました。

そして、それまで何ヶ所見ても「嫌だ」と言っていた母が、自分から言ったのです。

「ここがよか!」

私と妹も驚きました。

でも、何より嬉しかった。

最後は誰かに決められるのではなく、母自身が、

「ここで暮らしたい。」

と思える場所を選ぶことができたからです。

新しい施設で、母が少しでも安心して過ごせるように。

私たちは、また新しい準備を始めることになりました。


次回予告

第27話
24時間看護という選択

病気が進行する中、これから母に必要になるのは何なのか。

家族が選んだのは、24時間看護に対応した新しい環境でした。

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