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第19話 9時間の手術〜家族の決断〜

家族が下した苦しい決断

医師から説明された手術時間は、約9時間。

私たち兄弟は集まり、母の治療について何度も話し合いました。

「助かる可能性があるなら手術を受けてもらいたい。」

その思いはみんな同じでした。

しかし一方で、

「80歳を超えた母が9時間もの大手術に耐えられるのだろうか。」

「術後の回復はどうなるのか。」

「本当に母のためになるのだろうか。」

さまざまな不安が頭をよぎりました。

何度も話し合った末、私たちはすぐに手術は行わず、経過を見守るという決断をしました。

正解のない選択でした。

だからこそ、家族全員が悩み、苦しみながら出した結論でした。

私は健康産業で働いていた経験があったため、血液検査の数値を見ながら、自分なりに病状の進行を考えていました。

そして母には、

「脂っこいものや牛肉、ラーメンは少し控えようね。」

と伝えました。

すると母は笑いながら、

「順ちゃん、それじゃ私の楽しみが一つもないやん。」

と一言。

その言葉を聞いて、私は返す言葉がありませんでした。

病気と向き合うことも大切。

でも、残された時間をどう生きるかも同じくらい大切なのだと、その時あらためて考えさせられました。


次回予告

第20話
余命半年と言われ

突然告げられた「余命半年」という現実。

家族はその言葉を、どう受け止めたのでしょうか。

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